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【作品レビュー】

僕は彼女を、生涯忘れる事は無いだろう。彼女との出会いは、2年前に遡る。当時彼女は短大生で、僕の美容室に通ってくれていた。第一印象は、日本人離れした南国風の美人さん。腕や肩から見える肌はとても綺麗で、彼女が来店するのを楽しみにしていた。人懐っこくて性格は明るく、笑顔が本当に素敵な女性。日本人としては珍しいほど、情熱を感じさせる女性。それもそのはず、彼女は「帰国◯女」。親が新聞社の海外支店勤務で、南米のサッカー王国で生活していたと話してくれた。国民全員がサッカー好きって環境で育ったこともあり、彼女も熱烈なサッカーファン。僕もサッカーが好きなので、意気投合してその日を境に仲良くなった。そして先日、久々に彼女とお出かけする事になった。何度も遊園地に行きたいと言っていたので、その日は地元の小さな遊園地で会うことにした。笑ったり歌ったり、弾け飛ぶほどはしゃぐ彼女。眩しいほどに明るくて、僕にとって太陽のような女性。こんな子と付き合えたら、どんなに素敵だろう。毎日楽しくて、幸せだろうな。そんな彼女が、この秋に留学で再び海外へ行く事になった。急に告げられた事もあり、僕は激しく動揺した。「え！？本当に？」彼女は頷いた。短大卒業後、就職した様子が無かったのはそのせいだったのか....泣いても笑っても、この日が最後のデート。今伝えなければ、生涯後悔する事になる。僕は思い切って、想いを伝えた。「最後に、思い出を作ろう」無言で佇む彼女の手を引き、僕等は二人きりになれる場所へ歩き出した。